みなさんは普段どんなことを考えていますか?
人間は1日6万回思考すると言われていますが常に頭の中で何かが巡っています。
「今日の夜ご飯何にしよう?」 「昨日あんなこと言わなきゃよかったなぁ」 「明日は休みだなぁ」
など。
たくさんのことが頭に出てきては消え、でてきては消え、常に思考を繰り返しています。その意(思考の働き)により、心が忙しくなります。
「忙」この漢字の部首であるりっしんべんは「心」を表し、旁は「亡」ですから忙しい状態は即ち、心が亡い状態です。
【心はどこに?】

心が亡いとはどういうこと?と思われる方もいるかもしれません。その心はいったいどこにいったのでしょうか。それは「過去か未来」です。
「あのときこうしておけばよかった」「もしかしてこうなるんじゃないか」過去を振り返って後悔したり、未来を想像して不安に思ったり。今、この瞬間を生きているのにも関わらず、心ここにあらず「今」にはいません。それによって今生きている実感が薄いのです。どうしようもない過去や未来に心が向いてストレスを感じてしまいます。
しかし、自分の意思で変えられるのは「今この瞬間のみ」です。
【修正可能な今を生きる】

仏教では「今ここ」「今この瞬間」をとても重視します。どれだけ時代が進んでも過去を変えることも未来を予知することもできません。
過去も未来も今この瞬間の産物です。
過去は今もなお生産され続けています
未来も今の積み重ねであります
過去を悔やまないためにも、また未来をより良くするためにも、今この瞬間を大切することはとても重要であると仏教では説いています。
この瞬間をしっかり感じることで、世の中が鮮明になり、今に集中することで「すべきこと、すべきでないこと」を見極める知恵が身につき、余計なことに労力を使わず人生において大切なことに捧げられる時間をしっかり確保できるようになります。
すべきことに全エネルギーを使う。これは言葉にすると単純なことに聞こえるかもしれませんが、人間として生きられる可能性は奇跡、言葉を理解できる能力を持って生まれてこれたことは百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)何千何万年かかっても遭い遇うこと難しと仏教教典にも書いています。
今やるべきことに、目を向けるということがとても大切だということを仏教では教えてくれています。
最後に、そんなことをひしひしと感じさせてくれる仏教のお話を紹介させていただきます。
【毒の矢のお話】
ある男が毒矢に射られた家族はなんとか助けようと医者を呼ぼうとした
しかしその男はそれを止め
「医者を呼ぶ前に誰がこの矢を射たのか知りたい」
と言い
「男か、女か、どんなやつなのか、とこから射たのか、矢の種類は何か?」
などと考えているうちに、男は毒が回って死んでしまった。
大切なことを後回しにし他のことに時間を費やしてしまうと、あっという間に人生は終わってしまいます。
お釈迦さまは、あちこちに考えを巡らすのではなく、矢を抜くこと(実際に大切なこと、そして今必要なこと)に専念しなさいとおっしゃっています。
【終わりに】

現代は情報社会といわれるだけあって、いろいろな情報が入ってきます。「これがいい」と思う情報があっても「やっぱりこっちの方がいい気がする、いやあれの方ががいいかもしれない」と感情が振り回されます。
しかし、限りある時間の中、今大切なことをしっかりと考えて行動することの重要性を仏教では説いています。
私もこれを肝に銘じたいと思います。
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