【人間の真の支配者】

意識したものしか見えない人間の性質
私たちは同じ世界を生きていますが、実は人によって見える世界が違います。

「習い事をはじめたら、その習い事の看板をよく目にするようになった」

「マイカーを持ったら同じ車種をよく見かけるようになった」

ということは経験があるのではないでしょうか。
心理学で有名な「カクテルパーティー効果」というものがあります。

ガヤガヤしているパーティーのような場所でも、自分に関わりのある情報は聞き取ることのできる脳の働きのこと。
例えば、隣の席の人たちが自分の噂をしていると多少まわり騒がしくても聞こえてしまう、というような性質のことであります。

無意識にも選別し自分に関わりのある情報を取り入れています。
しかし、逆に言えば意識するところ以外見えていないということもできます。

【体感できる実験】


これを物語っているハーバード大学が出している実験があります。
複数人の男女がいます。バスケットボールをパスしている回数を数えてください。


(栃木健治さんというチャンネルで紹介されている映像です)

以下に動画のカラクリを書いていますので、この記事を読み進める前に動画を見てください。

いかがでしょう。
ゴリラが通ったことわかりましたか?わからなかった人はもう一度見てみてほしいのですが、ゴリラが堂々と横切っています。私は最初、ボールのパスの回数を気にするばかかりで、こんなに堂々と通ったゴリラさえ認識できませんでした。

集中すると、それ以外が見えなくなってしまう。

【心の特性】


これは心も同じです。人間は悩みを抱えるとその悩みに集中しすぎて、上記の動画のように周りが見えなくなることがあります。

少し進む方向を変えれば簡単に解決することでも、悩みを抱える本人は目の前の悩みに囚われすぎて苦しみ続ける。外に出ようと部屋の窓ガラスにぶつかり続ける虫のようになってしまいます。

【心の性質をよく知る】


釈迦さまは「心の動きをよくみなさい」とおっしゃています。仏教の瞑想は自分の心を観察するところからはじまります。

心の性質は「集中して観察する」ことでしか把握できません。なぜなら私たちは普段、感情という支配者によって突き動かされているからです。感情を発散させることが目的になっているからです。

その感情の流れをよく見ることで自分の性質を把握でき、その感情に支配されるのではなく、うまくお付き合いができるようになる。そして修行を続けることで感情から解放される境地である悟りを得られるとお釈迦さまは説いています。

【最後に】


悟りを得るのは難しくても、感情に支配されないようにすることは「自分の心を常に観察する」ことで可能です。大切なことは、怒りや悲しみの感情に支配されていることに気づくこと。それこそが仏道修行の第一歩、幸せに生きる大きな一歩です。

 

 

 

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