私たちは、さまざまな物事に対して「これは正しい。これは間違いだ」と良し悪しを判断します。
自分では客観的に判断しているように思っていても、無意識に価値観が入ってしまいます。

【私の無意識な先入観】
先日、大阪駅を歩いていると少し高めのヒールにオレンジ色のコートをお召しになった髪の長い女性が歩いていました。
私の前を歩いていたのですが、素敵なコートだなぁとつい見惚れてしまいました。
しかし、その方よく見ると男性だったのです。
お召し物は完全に女性でしたが、顔はお髭が生えている完全な男性でした。
髪が長い、ヒールを履いているのは女性だという先入観が私の目を狂わせました。
【人間の目というフィルター】
まず前提として人間の肉体をもって情報を取り入れてる以上「人間軸」からしか物事を判断することができないのです。
私たちは毒蛇やサソリ、ムカデを見て「危険な虫だ」と思ってしまいます。それは人間の命を危険に晒す毒を持っている生き物だからです。
これは明らかに人間という色眼鏡、フィルターです。人間以外、例えば毒虫を食す孔雀からすると「美味しそうな餌」と認識するはずです。

決して人間にはそのような見方ができないように、生き物はすべて自己を生かすという方向にベクトルが向いています。
【ベクトルの方向】
脳が発達している人間は複雑にものごとを考えますが、それでもあらゆる行動を突き詰めると生存と繁殖「苦から免れ楽を得たい」ということから離れることはありません。
一見、高度な活動をしていますがその活動の向かうところはよりよく生きるというとてもシンプルなこと。
お釈迦様は
「この世の中をありのままに捉えなさい」
と説いています。そして
「生存欲を除けばそれができるようになる」
とも説いています。

すべての先入観を脱ぎ捨てることは人間である以上難しいかもしれませんが、本能に近い部分でバイアスがかかっているということを意識できれば、その存在に気づきありのままに近い形でものごとを捉えることができるのかもしれません。
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